法人の税務調査では何を調べる?準備すべきことも併せて解説
「税務調査」と聞くと、何となく怖いイメージを持たれる方も多いかもしれません。
企業規模の大小に関係なくどの法人でも税務調査の対象になる可能性はありますが、税務調査の内容や何を調べるのかを把握しておき、事前にしっかりと準備を行えば、十分に対応することができます。
ここでは、税務調査では何を調べるのか、そしてどんなことを前もって準備しておけばよいのかをみていきましょう。
税務調査
税務調査で何を調べるのか、その準備について触れるまえに、そもそも税務調査とは何なのかを確認しておきましょう。
税務調査とは、納税者が虚偽の申告を行っていないかを確認するための調査です。
税制度の多くは「申告納税制度」です。
これが意味するところはすなわち、計算ミスなどのヒューマンエラーや、意図的な利益操作などにより、申告された内容を100%丸々信じることができないということを意味します。
そのため、税務署や国税庁が、納税者が嘘をついていないかを確認するために調査を行うのです。
調査時期は、確定申告が終了する4月~5月、税務署や国税局の人事異動が落ち着く7月~12月ごろに実施されることが多いです。
税務調査で調査対象になる項目
それでは一体、税務調査では何を調べるのでしょうか。
場当たり的に調べられるのではなく、不正が行われやすいいくつかの項目をピックアップして調査が行われることが一般的です。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
・売上
必ず確認されるといってもよいでしょう。
なぜなら、取引先と結託して循環取引や、押し込み販売(売り上げを増やすために期末に一度お客様に買い取ってもらい、新年度になったらすぐに解約する)など、不正が行われやすいからです。
他にも、「収益認識基準に基づいてあるべき時期に計上されているか」「課税所得を少なくするために、過少に計上していないか」などもチェック項目として挙げられます。
・費用
「費用」も必ず確認されるといってよいでしょう。
架空仕入、年度末決算前の予算消化を目的とした駆け込みの物品購入(購入後年度内に消費していない)など、こちらも不正が行われやすいです。
「発生主義に基づいてあるべき時期に計上されているか」などが主に確認されます。
・交際費
得意先・その他事業に関連する者への接待贈答に関係する費用を交際費として計上しているかを確認されるケースが多いです。
私的な集まりや、プライベートでの費用を交際費として計上していたりする可能性があるためです。
事前に準備しておくべきこと
ここまで税務調査では何を調べるのかをみてきました。
ではその調査に対応するためには、事前にどのような準備をしておく必要があるのでしょうか。
具体的には、以下のような準備をしておくとよいでしょう。
・日程の調整
一般調査の場合、税務署から電話で調査を行うことが通知されることが多いです。
顧問税理士がいるのであれば、そちらにも連絡が行われます。
その後、税務署と顧問税理士を含めて調査実施日の調整を行っていきます。
繁忙期などの理由がある場合は、法人側の都合に合わせて調査日を設定してくれる場合もあります。
・各種証憑類の整備
前項で述べた、税務調査で調査対象になる項目に関する取引の証憑類を用意しておきましょう。
請求書、検収書、伝票、領収書、契約書など、「いつ、どこで、誰と何の取引をしたのか」が分かる証跡です。
やみくもに全ての取引の書類を準備するのではなく、金額規模が大きい取引、重要性が高い取引、高度な会計処理の論点を含んだ取引をピックアップし、優先順位をつけて準備しましょう。
・ヒアリングのロールプレイング
税務調査当日は、調査官によるヒアリングが行われます。
事前に顧問税理士と想定問答集を作成し、ヒアリングのロールプレイングまで行っておくと、当日のヒアリング調査でも焦らなくてよいでしょう。
税務調査対応は南原弘樹税理士事務所にご相談ください
税務調査はきちんと流れを理解し準備していれば、決して恐れるようなものではありません。
会計税務の専門家である税理士と顧問契約を結び普段から準備しておくという選択肢を検討するのもよいでしょう。
南原弘樹税理士事務所では、税務調査対応の経験が豊富な税理士が在籍しております。
税務調査対応でお悩みの皆様はお気軽にご相談ください。
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